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「神宮大麻」とは?

(調べ)
神宮大麻とは伊勢の神宮から毎年全国に頒布されるお神札のことです。
神宮大麻の起源は平安時代末から鎌倉時代にかけて、御師(おんし)という
神宮に仕えた祠官により配布された「御祓(おはらい)大麻」にあります。

御師たちは神宮の神領を中心に全国各地へと赴き、神宮の崇敬を一般に広めるとともに
「檀那(だんな)」「檀家(だんか)」と呼ばれた崇敬者の御祈祷をし
その「しるし」として御祓大麻と呼ばれるお神札を授与しました。
この御祓大麻とは、お祓いをした大麻(幣帛)を箱型の箱祓や
剣先の形をした剣御祓に納めたものです。
また「数祓(かずはらい)」といって、幾度となく祓詞を唱えると
清めの力が増すとの信仰により、五千度祓・一万度祓といった御祓大麻が
頒布されるようになりました。
神宮大麻を祓いのための祓具とする考えがあるのも
こうした歴史的な事情に基づくものです。
こうした御師の精励により、江戸時代中期には全国の総世帯数の約九割に
大麻が頒布されていたそうです。

また、各地に伊勢講と呼ばれる崇敬組織もつくられ
交通事情の発達により庶民の間でお伊勢参りが盛んとなります。

明治時代以降、神宮に関する制度が一新され
従来の御師による大麻頒布に代わり
神宮司庁が大麻の奉製・頒布をおこなうこととなりました。
それにより大麻の体裁も「天照皇大神宮」の御神号に
皇大神宮御璽(ぎょじ)の印が捺印された現在の形に
また名称も「御祓大麻」から「神宮大麻」へ改称されたのだそうです。

話しは少し飛びますが、神社で頂く神宮大麻には薄紙がかかっていますが、
この薄紙は各家庭に届き神棚に納められるまで決して汚れることがないよう
神宮大麻の上包みとして施されているものなのです。

ですからこの薄紙は、神棚にお祀りする際に取り除いても差し障りありません。

神宮大麻の奉製から頒布に至るまでは、伊勢の神宮において
まず年始にその年の大麻奉製を始めることを御神前に奉告する大麻暦奉製始祭より
大麻用材伐始祭、大麻暦奉製終了祭、そして大麻修祓式をおこない
神宮大麻を祓い清めます。

また、その年の大麻と暦の頒布を開始することを大御前に奉告する神宮大麻暦頒布始祭と
無事に終了したことを報告する神宮大麻暦頒布終了祭がおこなわれ
各都道府県の神社庁や各神社においても大麻暦頒布始祭・終了祭がおこなわれます。

各家庭へは、氏神神社の神職や総代・世話人が頒布していますが
いずれもお伊勢様と各家庭とを結ぶ重要な奉務であることを心して奉仕しており
神宮大麻を受ける家庭においても単なる物品の授受とはせずに
折敷やお盆で戴くのがより丁寧であるといえます。

神宮大麻は、我々日本人の御祖神である天照大神の御神徳を仰ぎ
その御神恩に感謝するために祀るです。

大御璽(おおみしるし=神宮大麻の意義として説かれることであり
字義の通り御祖神である天照大御神の畏き御璽(みしるし)を示す語。
神宮大麻には歴史的な御祓大麻としての意義など諸説があり
明治時代から神宮大麻が公的な制度により全国頒布されるにあたり
改めて大御璽としての意義付けがされた。))です。
このため奉製から分布に至るまで常に清浄であることを心掛けて取り扱われているのです。

私どもの宮司もお話しておりましたが、氏子役員さんは最低限「神宮大麻」はお祀りして欲しいものですね。
by tamako0070 | 2007-09-03 18:05 | 神社
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